新春浅草歌舞伎と八犬伝
新春浅草歌舞伎を観て来ました。
午前の部でしたので、演目は「南総里見八犬伝」と「廓文章」。
特に里見八犬伝は子供の頃、テレビの人形劇に夢中になった思い出が
ありますので、特に楽しみにしていました。
6月の四代目市川猿之助襲名を控えている市川亀治郎さんはその中で、
老け役で強欲な庄屋蟇六(犬塚信乃の恋人で浜路の養父)と
八犬士のひとり、犬山道節を見事に演じ分けていました。
顔中しみだらけのメイクで、腰を曲げながら花道を登場したときは
亀治郎さんだとは思いませんでした。
普段演じることのない、老け役を楽しみながら演じていたように思いました。
亀治郎さんといえば、浮世絵コレクターとしても有名で
4月に開催される展覧会「渋谷亀博」では
浮世絵コレクションも出品されるそうです。
さて、八犬伝は浮世絵の題材としても取り上げられています。
こちらは当時人気のあった役者を八犬伝の登場人物に仕立てた
国芳の作品です。
「義勇八犬伝 犬坂毛野」 歌川国芳
犬坂毛野は美貌の持ち主で女装で育てられたという設定なので、
この浮世絵でも一見女性に見えます。
新春浅草歌舞伎では中村米吉さん(平成5年生まれ!)が演じていました。
亀治郎さんは浅草歌舞伎をひとまず卒業とのこと、
でも平成生まれの役者さんが今回は数多く出演されていましたから、
こうやって、日本文化は受け継がれていくのだなと
感慨深く思いました・・。