名所江戸百景 中川口
広重の最晩年の傑作、「名所江戸百景」がまとまった量で入荷しましたので、
毎日、浮世絵ぎゃらりい秋華洞で紹介しています。
「名所江戸百景 中川口」は
小名木川と中川と新川(船堀川・行徳川)の3つの川の合流地点を描いています。
広重「名所江戸百景 中川口」
手前を流れる小名木川は下総国・行徳から鮮魚や米、塩などの食料を運ぶため、江戸幕府が作った運河。
左から右に流れるのは「中川」は向こう岸は江戸の外でした。
新川は元々は行徳塩田の塩を運ぶための運河でしたが、成田詣でなど、庶民が行楽で使う船も運行されました。
左下にわずかに見える石垣と柵は水運の関所である「船番所」。中川船番所は、寛文元年(1661)に小名木川の中川口北岸に設置され、江戸に出入りする人と物資を査検した川船改のための関所です。
小名木川に浮かんでいる2艘の船は超郷里輸送用の長渡船。行徳船とも呼ばれました。
中央に見えるのは筏、その奥に見える2艘は釣舟です。このあたりは鱚がよく連れたそうです。