秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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次回展覧会です。

   

今日は秋華洞の次回展覧会のお知らせです。

タイトルは「むかしむかし、あるところに・・・」

7/2(金)~7/10(土) 会期中無休・入場無料

https://www.syukado.jp/exhibition/once-upon-a-time-2021/

その名の通り、昔話や伝説などをテーマにしたグループ展です。

岡本東子、柿沼宏樹、上根拓馬、村上仁美、ディー・チン、高資婷(こう つてい)、加納萌子の7名の作家が

それぞれ思い入れのある物語を取り上げています。

作家さんがどんな物語に惹かれるのか?そしてそこからどのような作品が生まれるのか?

いろいろな視点から楽しめる企画です。

出品作品の中からいくつか作家コメントと共にご紹介します。

岡本東子「毒念-番町皿屋敷より-」

殺害されたのではなく、自ら井戸に飛び込み死を選んだお菊。
皿屋敷伝説は全国に様々な派生がありますが、江戸版「番町皿屋敷」のお菊さんには強い意思を感じます。
周囲の毒念(悪意)によって命を落としたことには変わりありませんが、怨霊となったお菊自身も、毒念をもってその家に中指のない子が生まれるほどに祟るのです。でも十枚目のお皿があると聞くなり「嬉しや」とあっさり消えちゃうなんて可愛げもあって好きです。(作家コメント)

 

こちらは柿沼宏樹さんの作品。太宰治の「浦島さん」がテーマです。

柿沼宏樹「望郷」

「眼をひらけば冥茫模糊、薄みどり色の奇妙な明るさで、そうしてどこにも影がなく、ただ茫々 たるものである。」

これは、太宰治の「浦島さん」の一文。助けた亀に連れられた浦島太郎が、海中で眼を開けた 時に映る世界です。

これをきっかけに、物語は昔話からSFに転じた気がしました。1枚は、この情景を小さな画面に閉じ込めようと思いました。

もう1枚は、SFの続き。彼が目に した変化、そして去年を境に現代の我々が直面している変化。そんな「今」と「昔々」を繋ぎました。

(作家コメント)

他の作家さんはテーマに鳳凰、麒麟、おやゆびひめ、太陽の東 月の西、西遊記などをテーマに選んでいます。

誰が選んだテーマなのか想像してみるのも楽しいかもしれません。

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