秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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今日は時の記念日です。

   

本日6月10日は「時の記念日」です。

なぜ今日というと、『日本書紀』の天智天皇10年4月25日(グレゴリオ暦671年6月10日)の項に、

「漏刻(ろうこく)を新しき台に置く。始めて候時を打つ。鐘鼓を動す」とあることにちななんでいるからです。

「漏刻」とは水時計のことで、つまり、この日は日本で初めて時計が使われた日ということになります。

浮世絵や新版画でも時計が描かれているものは色々ありますが、

中でも有名で人気が高いのが、伊東深水による名古屋の堀田時計店(現・株式会社ホッタ)より出された版画の数々です。

こちらの「赤と白」は昭和44年に創業九十周年を記念して作られたもの。

深水らしい明るいモダンな美人。時計にはHOTTAのマークが。モデルは深水の愛娘、朝丘雪路さんと言われています。

こちらはその2年前の昭和42年、創業88年の記念に作られたもの。

伊東深水「ボンボン時計

この作品は「美人と櫓時計」「夜会巻」とともに三部作として人気の高い作品です。

伊東深水「夜会巻」

なぜ、深水がこうした一連の時計版画を手掛けたかという理由ですが、

四代目堀田六造氏が一時、深水の執事を務めるのなどの親交があったため、

こうした時計版画が生まれたとのことです。

堀田時計店ではこの他にも川上澄生らに依頼して、時計版画を刊行しています。

 

 

 

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