顔が変わる!浮世絵
2021/04/04
役者絵の中でも「忠臣蔵」関連は人気演目だけあって、
かなりの数が描かれています。
江戸城松の廊下で吉良上野介に切りつけた浅野内匠頭は切腹、浅野家はお取り潰しとなり、
その家臣大石内蔵助たちが吉良邸に討入りをしたいわゆる「赤穂事件」が題材。
ほとんどの絵師が手がけている忠臣蔵の浮世絵ですが、
そんな中でも最近入荷したこちらは珍しい作品でしょう。
周義「役者絵(子持ち絵)」二枚続のうちの1枚
こちらは玩具絵の一種で、絵の上に別の絵を貼り付け、その絵を折り返すと裏面の絵が現れ別の画面に替わる「子持ち絵」になっています。
明治11年11月新富座の興行では、主要な役々を一日替りで演じたので、
この浮世絵も、大星由良之助は9代市川團十郎→5代尾上菊五郎→初代市川左團次→三代中村仲蔵→初代中村宗十郎、
右側に描かれている塩冶判官は、5代尾上菊五郎→初代中村宗十郎→初代坂東家橘→初代市川左團次→9代市川團十郎と、
めくり形式で役者の顔が変化していく仕掛になっています。
今回は左側の大星由良之助の部分のみの入荷でしたが、
二枚続きはこちらのようになります。