浮世絵の中の着物(動物・生き物柄編)
浮世絵を見ていると思わぬ「文様」に出会います。
本当にそういった文様があったのか?絵師が「描いてみたかった!」のかわかりませんが・・・。
早速そうした浮世絵の中の着物をご紹介します。
今回は動物・生き物柄の着物です。
豊国Ⅲ(国貞)「当世六玉顔 調布の玉川」
こちらの作品、つい女性がつまんでいる「枝豆」に目がいってしまいますが・・・。
実は着物の文様は愛らしいお猿さんなのです。猿の腕が文様のリズムを作っています。
そして国芳の作品のこちらは・・。
国芳「当流女諸礼躾方 はおりたゝみやう」
カエル模様です。じっくり見ないとなかなか気づきませんね。
犬です。毛並みも空摺りしてあるのです!
しかし、この柄、人間の顔を比べるとかなり大きい・・・。そして生花というこの浮世絵のテーマにも関係なさそう。
芳幾が単に犬推しだったのでしょうか?
そして犬の文様の着物作品をもう1点。
国貞Ⅱ「八犬伝 犬の草紙の内 犬田小文吾悌順」
犬が集まって模様になっているのです。
そして、犬があれば猫もあります。
芳年「東京自慢十二ヶ月 六月 入谷の朝顔」
そして、猫の着物を言えば・・・。
芳年「古今比売鑑 薄雲」
着物の柄だけでなく、かんざしも!
ちなみに落款も「猫」
まだまだ楽しい文様はたくさんあります。
浮世絵の楽しみ方として「着物」にフォーカスを当ててみてはいかがでしょう?