秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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すみだ北斎美術館

   

東京都墨田区のすみだ北斎美術館に行ってきました。

 

スリッ トによりゆるやかに分割された印象的な建物です。

今開催中の企画展は「「北斎没後170年記念 茂木本家美術館の北斎名品展」

茂木本家美術館は、キッコーマン創業家の一つである茂木本家十二代当主茂木七左衞門氏(1907-2012)が収集した美術品を展示する館です。

浮世絵や近現代作家の作品など多岐にわたる所蔵品の中から、

北斎の代表的なシリーズとして知られる「冨嶽三十六景」「諸国名橋奇覧」「諸国瀧廻り」のほか、

「詩歌写真鏡」シリーズや、「木曽路名所一覧」、『北斎漫画』全冊、『富嶽百景』、

また、門人の作品も展示しています。

北斎といえば、やはり「冨嶽三十六景」。前期の10月6日までは

チラシに印刷されている「冨嶽三十六景 凱風快晴」の非常に珍しい藍を主体で摺ったバージョン、

通称「青富士」も展示されていました。

また、ほとんどの人が「浮世絵」というと思い浮かべるであろう「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」も展示されています。

※記念撮影できるパネル。

この冨嶽三十六景、制作年代はだいたいのところはわかっていますが、

はっきり何年とはわかっていません。そうした年代調査の紆余曲折などもパネル展示しており、興味をそそります。

また、茂木本家美術館のコレクションは摺りがよく、線がシャープな初期のものが多く、

その美しさを堪能できます。

このほか、籔内佐斗司氏による1点ものの北斎の彫刻「画狂老人卍北斎」や門人たちの摺物も見逃せません。

なお、4階は常設展、一部以外は写真撮影もできました。

こちらは雑誌の取材記事などでよく登場する北斎アトリエの再現模型。

北斎が84歳の頃、区内の榛馬場はんのきばばに娘の阿栄とともに住んでいました。

なんだか妙にリアルですが、その様子を門人の露木為一が絵に残しており、それをもとにこの模型を作ったそうです。

外国の方、それも親子連れの方が多く来館していました。

かなりいろいろな言葉が館内で飛び交っており、ワールドワイドの北斎人気を感じました。

こちらの展覧会は11月4日までです。

 - 展覧会