歌舞伎の小道具
お盆休みの間、歌舞伎の小道具を制作している「藤浪小道具」さんの小道具蔵公開に行ってきました。
蔵と社屋があるのは浅草駅から歩いて8分ほどのところ。
旧猿若町界隈、実際に芝居小屋があったところです。
広重の名所江戸百景にも登場します。
広重「名所江戸百景 猿わか町よるの景」
蔵には刀剣や鎧が保管してあり、
この蔵で東京大空襲から貴重な小道具を守ったそうです。
泥が入ったバケツと鏝が入り口においてありましたが、
実際、空襲のときは火が蔵の中に入り込まないように、
泥で目張りをして逃げたそうです。
(蔵の中は撮影不可)
受付と蔵の手前の倉庫?の小道具は撮影、実演可。
さっそくトライ。
「義経千本桜 渡海屋」より碇知盛の碇を持ち上げる体験も。
しかし、これはかなり重い。大抵の女性はギブアップだと思います。
ちなみに、この碇はいくつかあって、
重さを重視したい役者さんは重いものを、持ち上げることを強調したい方は軽めのものを好むとのこと。
そして白波五人男の傘。絵になりますよね。
そして大きな神田祭の「ナマズ」も。
これは上に乗ることができますが、表面は発泡スチロールを樹脂で固めてあるのと事。硬かったです。
扇を持ってポーズを取ると鳶頭の気分。
その他、忠臣蔵5段目に出てくるイノシシ。なんだか愛嬌があります。
ではこれは?
「鏡獅子」の蝶を表す「差し金」。
歌舞伎の中では「黒」は見えていなことなので、黒衣の後見がこれを振ってひらひらさせると蝶が舞っていることになります。
実際にはすごく重くて、自然に舞っているように見せるのはかなり難しそうです。
ちなみに後ろから操るというところから、現代でも誰かの「差し金」という表現は使いますね。
歌舞伎を観る時、こうした小道具を気にかけてみると、
更に楽しさも増すかもしれません。