トリを描く・トリを愛でる~ウズラ編~
2/3まで開催の「トリを描く・トリを愛でる」。
沢山の方にお越し頂きありがとうございます。
今日は「バードウォッチング」が趣味をいう御婦人がいらっしゃいました。
展覧会では若冲の鶏、竹内栖鳳の雀、
広重や最近注目が高まっている小原古邨の花鳥画などを展示しています。
「トリ」自体が羽ばたくをイメージして広く愛されるモチーフであったことから
たくさんの画家が手がけています。
田能村直入が描いたのは秋の花鳥画。
この中で直入は鶉(ウズラ)を描いています。
田能村直入「秋園雅趣」(部分)
ウズラの鳴き声は「ゴキッチョー!(御吉兆)」と聞こえるとのことで、縁起の良い鳥とされています。
古くはペットとして籠で飼育されたり、武士が鳴き声を競わせる「鶉合わせ」が行われたりしてきました。
多彩な色の響き合いを見せる花鳥画です。
生き生きと茂る草花や、ウズラの眼の光らんばかりのするどい描写からは、
南蘋派の筆触が見出せます。弟子の三井飯山によれば、直入は酒も煙草もせず規則を重んじ、
勢いのある時には五千枚の羅漢図を手掛けたともいう質実剛健、根気の画家です。
宋元明清の多様な画技もまた、幼くして竹田に画法を習って以来、数多の臨模によって身に着けられたのでしょう。
鳥以外、ケイトウや鳳仙花など季節の花も丁寧に描かれ、
明治文人画の大家たらしめた画技の多彩さが窺える作品です。
展覧会は2/3まで。会期中無休です。
https://syukado.jp/feature/2019/01/tori.html
どうぞお気軽にお越しください。