トリを描く・トリを愛でる
先週1月25日から始まった展覧会「トリを描く・トリを愛でる」。
たくさんの方にお越し頂きありがとうございます。
絵画を通して自然を愛でてきた日本人。中でも鳥は幸運を運んでくれる吉祥画としても人気があります。
新春第一弾の企画として、皆様に福をお届けしようと企画しました。
トリを描く絵師はたくさんいますが、この人ならこれというイメージを持った作家も。
例えば、伊藤若冲を言えば「鶏」。
代表作である動植綵絵では30幅あるなかで8幅が鶏の絵です。
中国の絵を模写していた若冲ですが、ある日「やはりホンモノを見て描かねばいけない」という思いにいたり、
身近でいつも描けるものを考えたとき「鶏」が浮かび、生涯描き続けました。
今回の展覧会でも若冲の「鶏」を展示しています。
伊藤若冲「俵に鶏図」(部分)
愛嬌ある表情と勢いのある筆さばきで描いた羽の様子をじっくりご覧ください。
また、竹内栖鳳といえば「雀」
竹内栖鳳「竹雀」
「わたしの頭の中には始終雀が往来してゐる。(中略)わたしはあのチュ!の声が大好きだ。」と語り、
自ら庭に米を撒いて雀を呼び寄せていた栖鳳。
「栖鳳雀」とまで称され愛好家を絶賛させた雀でしたが、
栖鳳にとってはいくら描いても容易に満足できない画題でもあったようです。
「竹(笹)に雀」の組み合わせは、取り合わせの良い一対のもののたとえ。
土に根を張り繁栄を表す「竹」と、厄をついばむ吉兆の鳥「雀」をあわせた目出度い図柄です。
また、今回は茅ヶ崎市美術館の展覧会、日曜美術館の特集放映で人気が高まっている小原古邨(祥邨)の作品も3点展示しています。
なお、小原古邨での作品も祥邨での作品、両方展示していますので、ぜひ見比べてください。
古邨での作品は水彩画のような印象、祥邨での作品は空摺りなどを多用し色もコントラストがはっきりしています。
小原古邨「月とつがいの真鴨」
展覧会は2/3までです。入場無料ですのでぜひお立ち寄りください。
「トリを描く・トリを愛でる」
https://syukado.jp/feature/2019/01/tori.html
展示作家:伊藤若冲、歌川広重、竹内栖鳳、川村清雄、川合玉堂、小原古邨(祥邨)、木村武山、榊原紫峰、宋紫石 ほか