美人画の系譜展
3,4年前のことだったと思いますが、
ヨーロッパの学生から日本の美人画について、卒業論文を書きたいので
池永康晟さんについて教えてほしいとのメールを貰いました。
彼女は浮世絵を調べているうちに「美人画」という日本独特のジャンルを知り、
池永さんに行き着いたのだそうです。
池永康晟「期待・ゆう」 美人画の系譜展示作品
「美人画」は日本では一般的な言葉になっていますが、
西洋で言えば、人物画や宗教画はあっても、特定の人間ではなく、
理想の「美人」を描いた匿名性のあるジャンルはありません。
しかし、日本では絵画を代表するジャンルとして一時期、それもかなり長きに渡って確立されてきました。
されてきた・・・そう、過去形です。
一時期隆盛をきわめた「美人画」も昭和に入って写真やイラストに取って代わられ、
人物を描くことすら廃れつつありました。
秋華洞はその「美人画」について画廊設立当初より力を入れてきました。
美人画の始まりをどことみなすかについては諸説ありますが、
歌麿からとすると、浮世絵から現代作家まで幅広く扱う画廊、「秋華洞」として、
改めて、ここで其の流れを展示し、見ていただこうという試みです。
先程、「美人画」は過去のものと記しましたが、
ここにきて前述の池永康晟さんをトップランナーに現代作家による美人画に注目が集まっています。
そこには以前の美人画の匿名性や理想化は薄れ、表現も様々になってきています。
時代を超えて復活した美人画はさらに魅力を増しているとも言えるでしょう。
ぜひ、日本特有の「美人画」の魅力を触れてみて下さい。
「美人画の系譜」
会期:5月25日(金)~6月4日(月) ※会期中無休
場所:ぎゃらりい秋華洞 入場無料
時間:10:00~18:00 ※5月25日(金)のみ21:00まで営業
展示作家:歌麿、宮川長春、国貞、伊東深水、鏑木清方、竹久夢二、小村雪岱、甲斐庄楠音、
池永康晟、岡本東子、中原亜梨沙、他