いよいよ三代襲名へ
先日の土曜日、歌舞伎座の吉例顔見世大歌舞伎に行ってきました。
昼の部一幕は「鯉つかみ」
鯉つかみは歌舞伎(かぶき)で主役が水中で縫いぐるみの鯉魚(りぎょ)の精と格闘する演出の総称です。
舞台一面にたたえた本水(ほんみず)を使い、夏に涼を呼ぶ芝居として江戸の時代から人気がありました。
鯉退治の場面が有る作品は人気があり、よく浮世絵にも描かれています。
豊国「役者絵」
三代豊国「神田川の与吉」※天竺徳兵衛韓噺より描かれたもののようです。
さて、今回の上演は大正3(1914)年に東京本郷座で初演された「湧昇水鯉滝』。
舞台は琵琶湖、主人公の滝窓志賀之助と鯉の精の二役を演じるのは、市川染五郎さんです。
染五郎さんが鯉つかみを演じるのは金丸座、ラスベガスに続いて3回目。
しかも、前回よりガラリと演出を変えたそうです。
舞台は宙乗り有り、本水あり、そして一人二役なのでは早変わり有りと
息もつかせぬは迫力でした。
この日は染五郎の名前では最後の舞台、来年1月に十代松本幸四郎襲名が控えている染五郎さん。
しかも三代揃っての襲名なのです。
今から襲名披露公演が楽しみです。