鵺退治

皆さんは「鵺」（ぬえ）をご存知ですか？

顔は「猿」、胴体は「狸」、手足は「虎」、尾が「蛇」という伝説上の妖怪です。

平家物語に源頼政がこの「鵺」を退治した話が記されていて、

謡曲でも「鵺」という演目があります。

歌舞伎でもこの鵺がテーマの演目がありますが、

この5月大歌舞伎で久々の上演になっています。

昼の部、第一幕の「鵺退治」。

時の帝が物の怪に悩まされ、源頼政がそれを退治するという話ですが、

なんと、54年ぶりの上演だそうです。

さて、この鵺退治のお話は浮世絵にも多く描かれています。

こちらは頼政が弓を引く場面で鵺の存在をほのめかしています。

国芳「名頭英雄揃　源三位頼政卿」

そして、こちらは空で暴れまくる「鵺」

国芳「源三位頼政鵺退治」

「虎」のつめをむき出して、「蛇」の尾を振り乱しています。

国芳「近衛院の御宇仁平三年四月内裏に怪鳥有　其声鵺に似たり」

こちらも国芳の作品。暗く立ち込めた雲に怪しさを感じます。

5月大歌舞伎は26日(木)まで。鵺退治は30分ほどの肩の凝らないお芝居です。

足を運んでみてはいかがでしょうか？

 

 - 浮世絵