福が来た
先日、歌舞伎座に昼の部の歌舞伎を見に行ってきました。
その中の演目の一つ、「重戀雪関扉」(つもるこいゆきのせきのと)。
主人公は六歌仙のひとり、大伴黒主(おおとものくろぬし)。
国周 「花揃見立六歌仙 大伴黒主」
この演目の中では大坂の関守、関兵衛、実は天下をねらう大悪人の公家、
大伴黒主という役で出てきます。演じるのは尾上松緑さん。
こうした豪快な敵役は国崩しともいいます。いかにもスケールが大きい印象です。
関兵衛が本性をあらわした際の演出、ぶっかえりという一瞬で衣装を変える演出も見ものです。
それにしても、六歌仙なのに悪役とは…。
名前に入っている「黒」のイメージでしょうか?
(歌舞伎では黒は悪や無を表すそうです)
同じ歌舞伎の「六歌仙容彩」でも大伴黒主は悪人として出てきます。
さて、昼の演目はそのほか、本朝廿四孝、赤い陣羽織の3本立て。
赤い陣羽織は劇作家木下順二の民話劇をもとにした演目。
わかりやすく、ほのぼのとした作品です。
その中で市川中車さん、中村児太郎さんらが、舞台から客席に降り、
手ぬぐいをまく場面がありました。
そして、私の足元にも中村児太郎さんが撒いた手ぬぐいが!
なんと、重戀雪関扉で傾城墨染実は小町桜の精。坂東玉三郎さんの手ぬぐい。
来年もいいことがありそうです。