秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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福が来た

   

先日、歌舞伎座に昼の部の歌舞伎を見に行ってきました。

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その中の演目の一つ、「重戀雪関扉」(つもるこいゆきのせきのと)。

主人公は六歌仙のひとり、大伴黒主(おおとものくろぬし)。

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国周 「花揃見立六歌仙 大伴黒主

この演目の中では大坂の関守、関兵衛、実は天下をねらう大悪人の公家、
大伴黒主という役で出てきます。演じるのは尾上松緑さん。
こうした豪快な敵役は国崩しともいいます。いかにもスケールが大きい印象です。

関兵衛が本性をあらわした際の演出、ぶっかえりという一瞬で衣装を変える演出も見ものです。
それにしても、六歌仙なのに悪役とは…。
名前に入っている「黒」のイメージでしょうか?

(歌舞伎では黒は悪や無を表すそうです)

同じ歌舞伎の「六歌仙容彩」でも大伴黒主は悪人として出てきます。

 

さて、昼の演目はそのほか、本朝廿四孝、赤い陣羽織の3本立て。

赤い陣羽織は劇作家木下順二の民話劇をもとにした演目。

わかりやすく、ほのぼのとした作品です。

その中で市川中車さん、中村児太郎さんらが、舞台から客席に降り、

手ぬぐいをまく場面がありました。

そして、私の足元にも中村児太郎さんが撒いた手ぬぐいが!

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なんと、重戀雪関扉で傾城墨染実は小町桜の精。坂東玉三郎さんの手ぬぐい。

来年もいいことがありそうです。

 - 浮世絵