秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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橘小夢展

   

昨年、秋華洞で開催した「橘小夢」展。

幻の画家と称されるほど、作品数も少なく、知る人ぞ知るという存在かと思っていましたが、

その際は幅広い世代の方にお越しいただいたほか、

秋田からもお客様がお見えになり、隠れた人気の高さを実感しました。

そして昨日、今日から弥生美術館始まった「橘小夢」展の内覧会にお邪魔しました。

小夢展は22年前にも同館で開かれましたが、

今回は初期の肉筆が公開される貴重な展覧会です。

そもそも、小夢の初期の肉筆画が少ないわけは大正12年の関東大震災の際に

その多くが消失してしまったからです。

今回は郷里の秋田に初期の作品が残されていることがわかり、数点出品されています。

小夢展チラシ.jpg

チラシに使われている「花魁」(大正12年)も秋田で保存され、今回初公開の作品です。

小夢の作品で有名な「水魔」も版画とともに新発見の肉筆色紙の展示があります。

ポスターやチラシで使われることの多い「地獄太夫」の屏風も展示。

地獄太夫の美しさとおどろおどろしい地獄絵の着物のコントラストは眼が離せません。

また、小夢というと、妖艶、幻想的というイメージがあるかと思いますが、

神々しい「山の神」を描いた作品(初公開)

ご家族のために描かれた優しい「立雛」も展示されています。

約200点が一同に展示される貴重な機会です。

ご興味ある方はぜひ足を運んでみてください。

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