今月の歌舞伎から〜すし桶の中身は・・・〜
昨日、歌舞伎座では「芸術祭十月大歌舞伎」が開幕しました。
今月の演目は「義経千本桜」。
この義経千本桜は源平合戦の後日談。平家の一族が実は生きていた!という奇想天外な設定で、全五段のなかでも悲劇あり、様式美有り、家族愛有りで人々を飽きさせない様々な工夫がこらされた名作なのです。
各段ごとに主役や設定が大きく変わるため、
それぞれ単独で上演されることも珍しくありません。
こちらの浮世絵は単独でも上演される三段目の「すし屋」。
三代豊国「義経千本桜 すし屋」
すし屋は、ワルで知られたいがみの権太(釣瓶鮨屋の息子)が心を入れ替え、親孝行しようとする物語。今月は片岡仁左衛門さんが「いがみの権太」、妹のお里(浮世絵では手前に描かれている)が片岡孝太郎さんという配役です。
歌舞伎では「声良し、顔良し、姿良し」という褒め言葉がありますが、
まさにその言葉が仁左衛門さんにぴったり。
そこにただ立っているだけでも独特の美しさがありました。
物語は浮世絵でも描かれている「すし桶」がキーワード。
ここには「えっ!」と驚く物が入っているのです…。
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