秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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幽霊画コレクション

   

今週、東京谷中にある「全生庵」へ幽霊に会いに行ってきました。

といっても、掛け軸の中の幽霊ですが。
全生庵は山岡鉄舟が明治維新の際、国事に殉じた人々の菩薩を弔うために
建立した寺です。
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そしてこちらでもう一つ有名なのが、幕末から明治にかけての落語会の大看板、
三遊亭円朝の幽霊画コレクションの公開です。
円朝は「怪談牡丹燈籠」や「真景累ヶ淵」の原作者として落語会のみ成らず、歌舞伎や演芸界に広く影響を与えました。そして「幽霊画コレクター」としても知られています。
毎年師匠を偲んで開かれる「円朝祭り」に合わせ、
全生庵では8月いっぱい幽霊画の公開が行われるのです。
絵師は伝円山応挙から、柴田是真、菊池容斎、松本楓湖、伊藤 晴雨、河鍋暁斎などなど・・・。
美しい幽霊から怖い幽霊、ちょっとおとぼけ?の幽霊まで。
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円朝と言えば「怪談牡丹燈籠」。
恋心を遺したまま死んだ娘「お露」が、
幽霊の姿で恋人の新三郎のもとを毎晩訪ねてくる・・・。
展示してあったのは
尾形月耕の作品でした。

秋華洞からは芳年の「怪談牡丹灯籠」をご紹介。
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女中のお米を伴い、毎晩恋人を訪ねる「お露」。
中国から伝わってきた話なので、お露の幽霊には足があり
「カランコロン」と響く下駄の音が恐怖を呼ぶのです…。

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