庄野と庄野
広重の代表作といえば、「東海道五十三次」。
実は広重は東海道シリーズを何作も作成しています。
一番有名で、多くの人が思い浮かべるのは「保永堂版」でしょう。
その中でもポスターや図録で取り上げられる人気の図柄があります。
こちらの「庄野 白雨」もそのひとつ。
広重 「東海道五十三次 庄野 白雨」
白雨はにわか雨のこと。激しい雨に打たれて揺れる竹林が墨の濃淡で見事に表現されています。
ところで、「東海道」シリーズは広重だけのものではなくて、他の絵師もたくさん描いています。
それぞれの土地にゆかりの歌舞伎の演目を役者の見立で描いた
三代豊国の「役者見立五十三駅」というシリーズがあります。
こちらの庄野はどうかというと・・・。
三代豊国「役者見立五十三駅 庄野」
なんと、背景に広重の「庄野 白雨」と同じモチーフが…。
それだけ、広重の東海道五十三次が一世を風靡した証拠といえるでしょうか？