ふわふわ
「ふわふわ」と聞くと何を思い浮かべますか?
パンケーキ?ぬいぐるみ?
歌舞伎で「ふわふわ」というと現在歌舞伎座で上演中の
「加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)」のなかのワンシーンで、
岩藤の桜の満開のもとでの「宙乗り」を指します。
桜の中を宙乗りというと優雅な雰囲気ですが、
実はこの「岩藤」、亡霊なのです。
中老の尾上を草履で打っていじめ、自害に追いやった“お局さま”岩藤が、尾上の召使いお初から敵討ちにあう。骨となって棄てられていた岩藤がよみがえり、再び恨みを晴らそうとするという物語です。
岩藤がよみがえるところも見せ場のひとつ。
墓場でバラバラにちらばっていた骨がだんだん形になって
「岩藤」になっていきます。
こちらはまさに、墓場で復活した岩藤(左)。
この日傘がトレードマーク。「ふわふわ」のシーンでも
この日傘を手に優雅に飛んでいきます。
怖いというより、ユーモラスでファンタジーでもあるところが
「歌舞伎」の面白さなのでしょう。