旅の途中
東海道を描いた浮世絵というと、真っ先に思い浮かべるのが
広重の保永堂版「東海道五十三次」かと思いますが、
広重だけでも隷書版や狂歌入りなど、いくつもの東海道シリーズをてがけていますし、
他の絵師も作品を遺しています。
今、浮世絵ぎゃらりい秋華洞で毎日のように新着でご紹介しているのが
三代豊国の「役者見立東海道五十三駅」です。
こちら、役者絵とそれぞれの宿場の風景が組み合わさった「見立てもの」のシリーズですが、
実は140枚あるのです。
それぞれの宿場だけでなく間の駅、
例えば、御油、岡崎間などの作品があったり、
一つの宿場について2枚作成されたりしているからなのです。
というわけで、日本橋(ソールド)からご紹介してきて、
本日の掲載分で「宮」まできました。
まだまだ旅の途中です。
「役者見立東海道五十三駅 宮 景清」 三代豊国
景清は市川團十郎家に伝わる歌舞伎十八番の内の演目。
描かれているのは八代市川團十郎です。
衣装に牡丹がえがかれているのは、
宮宿は今の名古屋市熱田区。
平景清が平家滅亡後、ゆかりのあった熱田に身を潜めたと言われています。
東海道の旅はまだまだ続きますので、
どうぞお楽しみに!