秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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構図のヒミツ

   

先日、東京六本木のサントリー美術館に

展覧会「歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎 江戸の芝居小屋」を観に行ってきました。
芝居小屋そのものを描いた屏風や浮世絵、
七代目団十郎所有の煙草盆、
東山魁夷画伯による歌舞伎衣装まで、
役者絵展とは視点が違う「歌舞伎」をテーマにした展覧会で、
大いに楽しめました。
さて、今回の展示品にもなっていた
浮世絵の幽霊画のご紹介です。
IMG_5336.JPG
(サントリー美術館での展示は軸装されていないもの。11日までの展示です。)
家宝の皿を割って手討ちにされた「お菊」が毎夜皿を数える声が聞こえるという
皿屋敷伝説を題材にした作品です。
そもそも、皿屋敷伝説は各地にあるそうで、
「番町更屋敷」など、歌舞伎や人形浄瑠璃になっています。
先月、日生劇場で上演された
「新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)」は
お菊ではなく「お蔦」が濡れ衣を着せられ、
手討ちになる設定になっています。
さて、こちらは明治25年10月に上演された歌舞伎を取材したもののようです。
お菊を演じるのは、幽霊役が得意だった、五代目尾上菊五郎。
この時、菊五郎が逆さに吊り下げられる演出だったため、
このように縦の構図になったようです。

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