おめでたい絵
ちょっと気の早い話かもしれませんが、
お正月に吉祥画を飾るお宅もあることでしょう。
今日はそんなおめでたい絵のご紹介です。
柴田是真 「小槌釣竿図」 (部分)
カタログ33号掲載の是真の掛軸(短冊)です。
どこがおめでたいの?といいますと、
釣り糸が「寿」の字をなしているのです。
柴田是真は漆芸家で画家。幼名亀太郎、のち順蔵。別号対柳居。
古満寛哉に入門し蒔絵を学ぶ。その後鈴木南嶺、岡本豊彦に学び、南嶺より是真の号を受ける。
軽妙洒脱な絵画と、伝統に根ざしつつも写実的な工芸品は海外でも評価が高い作家で、
「Zeshin」の名は世界に広く知られています。
秋華洞は毎朝スタッフ一堂で朝礼をしますが、
その中での1分間スピーチが、
昨日内覧会があった根津美術館の「柴田是真」展についてでした。
展覧会は今日が初日で来月16日までの開催です。
蒔絵箱や硯箱などの漆工から漆絵、絵画までおよそ120点が展示されるとのことです。
図録の解説を読みますと、是真の作品を質的に特徴づけるのは
「粋と洒脱」であると記されていました。
この作品もわかる人にはわかるというさりげなさに
かえって「粋」でウィットを感じます。