虎の画家
昨日の日本経済新聞の文化面に
「大橋翠石」が取り上げられていました。
大橋翠石 といえば、「虎の作家」として知られ、
秋華洞でも以前からご紹介しています。
ただ、一部の熱心なファンはいるものの、
新聞記事にあるとおり、一般的には「忘れられた作家」といえるでしょう。
筆者の大阪国際大学講師、村田隆志先生が
翠石を研究する小学校の遠足がきっかけだったそうです。
須磨離宮公園を訪れたとき、先生が
「この辺に有名な画家が住んでいたらしい」といわれたとか。
その小さな記憶が大学院で美術を学んでいる際に
糸でつながり、
本格的に大橋翠石を調べることになっていったそうです。
そして4年前には愛知県で開催された大橋翠石展を監修。
今も更なる大橋翠石の研究を続けられています。
若冲もプライス氏という1人のアメリカ人コレクターの
情熱が再評価の1つのきっかけになりましたが、
1人の研究者やコレクターの情熱が
作家の存在を後世に伝えく上で、いかに大切かということを
深く感じました。
さて、その翠石の虎です。
「猛虎之図」 大橋翠石
須磨在住期の作品です。
虎の毛の繊細な細密表現と
まっすぐこちらを凝視する虎の目の迫力を堪能できる作品です。