前向きに
今朝の朝礼での話題ですが、
スタッフが駐車場の前を通ったときに
「前向きに」
という看板をみて おおっ! と思ったそうです。
前向き駐車しましょう というなんてことない看板ですが、震災後、暗くなっている毎日の中
この看板は非常に印象深かったようです。
自分や世間の状況が変わると、感じ方もずいぶん違ってきますね。
月岡芳年 『藤原保昌月下弄笛図』
藤原保昌は平安時代中期の公家ですが、「今昔物語」の説話にその名が登場しています。10月朧月の夜に一人で笛を吹いて道を行く者があり、それを見つけた袴垂という盗賊の首領が衣装を奪おうとその者の後をつけたが、どうにも恐ろしく思い手を出すことができなかった。
その者こそが保昌で、保昌は逆に袴垂を自らの家に連れ込んで衣を与えたところ、袴垂は慌てて逃げ帰ったというものです。
本作は、この「今昔物語」を下敷きに前年制作した肉筆画を版画化したもので、本図に想を得た河竹黙阿弥の脚本で歌舞伎も上演され、大評判となりました。
笛を吹く保昌とその背後に刀を構える袴垂のもとへ、保昌の笛の音に共鳴するように突風が吹き、保昌の袖とススキが不気味にたなびく。立ち込めていた暗雲も流れ、満月が顔を出し、保昌の圧倒的な存在感が巧みに表現されている作品です。
では、本日も前向きに行きましょうー!!