秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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三月は去ってしまう

   

1月は 行ってしまう
2月は 逃げてしまう
3月は 去ってしまう
1月から3月は、本当にあっという間に過ぎてしまうので、
毎日を大切に過ごしましょう。
この季節になると、
小学生の頃に聞いた校長先生のお話を思い出します。
今月も今日を入れてあと4日。
健康でなんの不自由もなく生活できていることに感謝して過ごしたいと思います。

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月岡芳年 『金太郎捕鯉魚』
芳年はこれより以前、明治初め頃に「一魁随筆」シリーズで金太郎の鯉つかみを描いています。
構図はよく似るものの、動感はこちらの方が勝るでしょう。
芳年のこれら一連の掛物絵は全部で十七点が確認されていますが、
この金太郎図は最も好ましいもの。
たて長画面にまたがる大鯉につかまって、金太郎は水中深く潜ってゆきます。
国芳や芳艶の金太郎図と比較すると、山姥の表情などずいぶん変化し、近代の浮世絵といった感じがします。
しかし画面は水中と水上の二焦点が合成されていて、浮世絵版画によくある自在なスタイルです。
明治を二十年近く経ていてもなお、浮世絵の伝統性が継続していることが感じられる作品です。

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