秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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疱瘡絵

   

夜は涼しくなってきましたが、まだまだ残暑が厳しいですね。

一体この暑さいつまで続くのやら・・・
先日子供が皮膚の病気にかかりました。
ひとつ水ぶくれがはじけたと思ったらそこから恐ろしい勢いで体中に広がって、
はじけた皮膚が今度はかさぶたになり・・・ヒャ〜大変!!
その姿に見ているこちらが戦慄しました。
薬のない江戸時代はさぞかし大変だったことでしょう。
江戸時代の平均寿命が40歳台と低かったのも、乳幼児の死亡率がものすごく高かったからで、無事に成人すれば長生きできたようです。
そのため子供が病気にならないよう、なったとしても軽く済むようにと、まじないや民間療法を行っていました。
その中でも、疱瘡(天然痘)除けのまじないとして赤一色で摺られた
「疱瘡絵」(ほうそうえ)
と呼ばれるものがあります。
赤なのは疱瘡をもたらす鬼が赤い色が嫌いだったためで、画題には金太郎、桃太郎、達磨などがよく使用されていたようです。
疱瘡絵を枕元に置いて、無事回復することを祈りました。
回復後は焼き捨てたり、川に流したため、現存するものは少ないと言われています。
そういえば私も浮世絵の交換会の時に1度見たきりです。
真っ赤で異彩を放っていて、人々の祈りが込められた浮世絵でした。

 - 浮世絵