秋華洞スタッフブログ

日本の古美術・近代絵画を軸に、浮世絵、古典籍、その他書画骨董。茶道具、西洋美術品も扱います。

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人足は命がけ

   

昨晩のワールドカップ、パラグアイに破れ残念でした。しかし!
選手たちが命がけで戦う姿に感動しました。完全燃焼。
スポーツで国が一体になるのは素晴らしいことですね。
さて、話は変わりますが、こちらも命がけ。川越え人足のお話です。

広重の作品には川を渡っている場面がよく描かれています。

駕籠に乗ったり肩車で渡ったり。
時には自分の倍もあるようなお客さんを乗せていたり。

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川の渡し賃、体重の割り増し料金があったかどうかは不明ですが、
水深によっては割り増しがあったようです。
勝手に川を渡るのは禁止ですが、なぜか相撲取り、乞食、芸人は例外で認められていたそうです。
流されてもあくまで自己責任ですが。
この川越しの風景、外国人には殊更珍しかったようで、シーボルトはこう残しています。
「彼らはどんな季節でも一日中真裸で、一日中この危ない仕事をしなければならないのである。もし誰かが人足の過失で流れに呑まれたら、人足は死罪になるといった人があるから、私はこの職業を危険だというのである。」

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冬でも冷たい川に入り、人を流してしまったらなんと死罪!
命がけの職業です。
仕事とはこのぐらい命をかけてやるものなのです!
わたしもがんばります!
ここに紹介した広重の『東海道五十三次』 (複製)販売しております。
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03-3569-3620

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