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厚塗りの日本画作品に起こりやすい現象

片岡球子先生の作品は、厚塗りの作品が多いので、評価の際は、必ずコンディションを確認させていただいております。

球子先生特有の厚塗りの手法は、迫力ある力強い効果をもたらします。一方で、保存状況等により、紙と絵の具の収縮のバランスが崩れて、「パチン!」と真っ二つに紙が破れるように裂けてしまった作品を何点か扱った事があります。
他にも日本画の横山操先生の作品も、厚塗りの手法であったので、同じように収縮のバランスが崩れて絵の具が割れることがありました。

絵の具のワレや変色、シミがないか、本紙が太陽光などでヤケていないかなど、本画・版画を問わず、確認する箇所は決まっています。
既に50年以上経過する作品などもあるので、多少の経年劣化は査定には影響しませんが、中には上記のように思いもよらない状態の作品もあります。

お客様の大切な作品を扱う際は、常に慎重に扱うことを常に心がけております。

あまり神経質になる必要はないと思いますが、湿度の多い場所での保管や、高温、直射日光を避けて展示するなどの最低限の工夫が必要です。
また、万が一、絵の具のワレやシミなどが発生しても、専門の修復家により治すことが可能です。

時間が経つとシミやカビが絵の具を食べてしまいますので、いつまでも美しい状態で楽しんでいただくために、できるだけ早く修復することをお勧めしています。


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