「現代美術の夜明け」やります
「現代美術の夜明け」と題した展覧会を、14日から行います。場所は私たちが昨年オープンしたギャラリー、「GALLERY SCENA【ギャラリーセナ】」です。渋谷区・神宮前。原宿です。
本展は、本来の「セナ」の姿を表現する為の展示でもあります。
現代美術の画廊として、「セナ」は昨年オープンしました。
本来「現代美術」とは、「美術」の枠組みそのものを問いかける世界であるはずで、その、もっとも熱い時期ともいえる戦後の2,30年間の展示は必須のことでした。
「いま」の現代美術を扱う上でも、この「むかし」を見せておくことは重要です。
ましてや、そもそも物故作家の作品、いわゆる「セカンダリー」を扱う仕事をしている私たちとして、当然やるべき仕事でもあります。
今回の展示は、その第一弾、となります。
かつて1966年に、MOMA(NY近代美術館)で、日本の前衛芸術を紹介する展示があり、そのとき紹介された作家は46人にのぼります。そのうち、何人かご紹介しておきましょう。
山口長男、猪熊源一郎、斉藤義重、吉原治良、津高和一、オノサト・トシノブ、八木一夫、菅井汲、富岡総一朗、元永定正、白髪一雄、堂本尚郎、田中敦子、菊畑茂久馬、中西夏之、平賀敬、三木富雄。
https://www.moma.org/calendar/exhibitions/2584?
(MOMA1966 The New Japanese Painting and Sculpture)
もう50年以上前に、こうした名前がすでに紹介されていることは素晴らしいことです。この展示の図録には、日本のContemporary Art コレクターが、ほんの数名しかいない、前衛美術は厳しい状態にある、ということが率直に述べられています。
たしかにこの頃、まだ安く、何十万の値段で取引され、しばしば売れずに在庫になっていた作品も、例えば白髪一雄や田中敦子の作品なら、何千万、何億とする時代になりました。この時代に、たとえパンが食べられなくてもアートの道を貫いた作家達の矜持が、今の時代を到来させたと言ってよいでしょう。
今回、私どもの展覧会で販売する作家は、次のようなラインです。30名ほどの作家を紹介しますが、その一部をここに書いてみます。
山口長男、白髪一雄、斎藤義重、中西夏之、関根伸夫、李禹煥、三木富雄、菅井汲、中川幸夫、藤田嗣治、東郷青児
サイズ的には小ぶりなものが多いですが、重要と思われる作品も、幾つか入っておりますので、いらした方には、かならず印象に残る展示となるかと思います。
なお、ここで、なぜ中川幸夫、東郷青児、藤田嗣治の名前があるのか、おかしいぞ、と思う方も居られることでしょう。
中川幸夫は前衛いけばなの作家ですが、今回は書を展示。
東郷青児・藤田嗣治は、現代美術の系譜にはフツウ入れません。ですが、戦前、二科展のなかに「九室会」という前衛美術のグループが発生したときに、彼ら二人は顧問役を務めたのです。山口長男、斉藤義重、吉原治良ら戦後に重要な役割を果たした作家が参加したこのグループは、活動期間はわずかですが、見ておくべき邂逅です。
今回は、きちんとした図録を作りました。ご興味のある方は、下記のリンクからご請求ください。
「現代美術の夜明け」展覧会図録(1000円)
https://shukado.buyshop.jp/items/76289681
展覧会のご案内はこちら
https://gallery-scena.com/exhibition/202307/?lang=ja
GALLERY SCENA セレクション展
現代美術の夜明け
斎藤義重・中西夏之・山口長男・白髪一雄ほか2023/7/14 – 8/5
@GALLERY SCENA by SHUKADO