明日から沼田侑香。
今、香港ではアートバーゼル香港が開催中です。私どもでは同じ会場のArt Centralというサテライトに出展中。なにしろ人が多く、コロナで失われた3年間を埋めわせようとするかのように勢いがあるようです。
私は今年は日本にいるのですが、こちらでは明日からの展示準備で大忙し。原宿・神宮前のGALLERY SCENAでの 沼田侑香個展があるのです。
来週は29日水曜日から弊社で取り扱っているよしだみきほ・吉田樹保が渋谷Bunkamuraさんの移転前最後のグループ展に参加。
なので渋谷はギャラリーセナ祭り、ということになります(?)
沼田侑香個展「Imaginary farm」
2023/03/25 – 04/09
@GALLERY SCENA by SHUKADO
https://gallery-scena.com/exhibition/numata-yuka-2023/
沼田侑香との出会いは芸大修士の卒展でしたが、既存の「マーク」や「暮らし」がふにゃふにゃの「板」になってそのあたりに展開しており、奇妙な違和感と、どこかユーモラスなインスタレーションの展示が魅力的でした。アメリカへの留学の履歴もあり、コンテンポラリーの発想を鍛えられた頼もしさも感じました。
彼女の素材が「アイロンビーズ」である、ということは今回の展示が決まってから僕は意識したことで、むしろ既存のイメージをどこかずらして見直すコンセプチュアルな面白さの方に目がいっており、本人の「平面からオモチャであり立体であるアイロンビーズへ」という物語は話をよく聞いてみて初めて分かることでした。
アイロンビーズは思えば僕も知っている遊び。遊んだ事があるかどうかは忘れてしまいましたが、けしてなじみのないものではありません。「デジタル」というともうすべてデバイスの中のものになり、アイロンビーズなど余り見かけない世の中になりましたが、どっこい今もあるのですね、アイロンビーズ。(発売しなくなったら、彼女はどうするのだろう、とちょっと気になりますが)
デジタルとアナログのあわいにいる、というのはまさに現代の日常なのですが、これは「架空」と「現実」のアナロジーでもあります。食べ物がどこから出てくるか分からない、もしかしたらお肉も工場でできていると思っている都会の子供も少なくない世の中で、食べ物がたしかに農場で人の手を経て時間をかけて育てられて都会に届いていることを知ることは大事なことです。(都会人がそんなことだからプリンターで肉を作るなんて事を思いつくお金持ちも出てくる。。)、原宿という架空のうずまく空間で「牧場」というリアルが幻のように出現するのも面白い組み合わせかと。
さて、初日は今回土曜日となり、5時からはレセプションパーティ、翌週はアーティストトーク、お子様も大人も参加できるワークショップとイベントも盛りだくさんです。ワークショップは事前お申し込みを。
Opening Party日時:2023年3月25日(土)17:00-19:00
アーティストトーク日時:2023年4月1日(土)14:00-15:00
アイロンビーズを使ったワークショップ日時:2023年4月2日(日)・9日(日)10:30-12:00
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