いよいよ今日から。陳珮怡(チン・ハイイ)・池永康晟の二人展。
芸術新潮などの雑誌でもご紹介してきたが、「池永康晟・陳珮怡 二人展」が本日からいよいよ始まる。
池永は近年非常に名前が知られてきたが、「美人画」描きを標榜する日本画家だ。「美人画」の系譜は深水・清方あたりでいったん「お休み」してきたが、自らその復活を宣言した。
その画風はステレオタイプ型の「美人画」=和服の美女とは一線を画するものだが、私小説的な文脈に持ち込んで優れて現代的にリアルな「美人画」を確立した。
今回、はじめての日本での公開になる「陳珮怡(ちんはいい・Chen Pei Yi)」は台湾で活躍する日本画家だ。ただし彼の国では日本画とは言わない。「膠彩(じゃおさい)」と言う。主として猫やヒトをモチーフとする。近年の、猫に絨毯をあしらった図柄のリアルさは驚異的だ。たんに「猫が好き」な人に向けて描かれたものではない。中国伝統の宮廷画家の系譜につらなる緊張感が画面を支配している。
数年前から、Facebookなどで池永が注目しており、私達も展覧会などで彼女の細密だが日本の「写実」とも異なる豊かな表現に着目していた。二年前のアートフェア台北の会場で企画の合意がまとまり、長い準備を経てこの度の展覧会が実現した。
昨夜、展示準備をした。池永の新作の美しさは、さらに陶然とさせるものになった。陳の作品は気品に加えて、ユーモアが出てきたように思える。
本日から公開だが、夕方5時から8時までレセプションとなる。簡単な軽食を用意した。ぜひご参加を。二人の画家が出席する。
なお、ご購入については、この週末については抽選で販売する形にした。人気が過熱気味なのだ。お気に入りの一点を見つけて欲しい。詳しくは問い合わせていただきたい。