内田有紀ちゃんよかった
「禅」、見てきました。
え、なんのことかって?映画です。今ロードショウをやっています。
経営禅の会で、お薦めいただいたので、ほんの少しの期待を持って参りました。こういう実録物は「漫画ナントカの歴史」みたいな企画よろしく、
つまらない場合も多いので。
しかし、結果は案外、よかった。
道元が主人公の物語。道元は曹洞宗の日本の開祖で、「只管打坐」、ただひたすら座ることで、仏を己の中に見ることが出来る、他の事
(お経念仏)の事はいらない、という考え方。それこそが正法=正しい仏教の教え、という考え方の人。
道元の思想を正しく理解した人が、わかりやすく伝えようとしている、と感じました。内田有紀ちゃんの遊女や、
執権の北条家の狂気をはらんだ当主が、悩みながら道元に対峙し、やがて受け入れる課程を描くことで、私たちの禅への疑問に答え、
理解を深める筋立てになっており、説得力があります。
途中の有紀ちゃんのあられもない遊女としての媚態や、貧しい暮らしと暴力がリアルで、映画の奥行きを増しており、
たとえば滝田洋二郎のようなマトモナ監督かな、新人かな、と思っていたら、なんとエンドクレジットに高橋判明。TATOOあり、の監督です。
暴力エロ映画の巨匠ですが、あんまり最近の仕事は知らなかったのですが、こんな映画を撮るなんて、誰でも年を取ると五木寛之もそうですが、
こういうものを語り出すのだなあ、と少しビックリ。まあ深作監督は最後までドロドロでしたけど。ちなみに深作の遺作(だったですか)
「バトルロワイヤル」のしぇんのオトコノコが北条執権の当主を演じて、非常に上手い。
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