何でも鑑定団を見て
ゆうべもビデオに録った「鑑定団」を見る。「丁稚」である、私にとって、鑑定団を見ることも勉強のひとつ。
書画鑑定担当の安河内さんが病気から回復されたので、従兄弟の田中大が出なくなったのはちょっと淋しいけれども。でも出演は大変だったようだから一息ついたというところだろうか。
今回は「出張鑑定団スペシャル」ということで、鑑定団の歴史を振り返る内容であった。二時間スペシャルであったので、前半だけ見た。
私がいうのもなんですが、驚くのは、本当にさまざまな地方に骨董収集がお好きな方が多いことだ。15歳の骨董収集家!までいる。武具、鉄砲、刀、焼き物、絵画、みな思い思いのコレクションをしておられる。
同時にこれは驚きということでもないけれど、贋物をびっくりするような値段で地方のご老人に売りつけている業者がいることには幾分呆れる。
ところで、中島誠之助さんが本日のVTRでも「よいものを見て感動する経験をつんでください」と「金重陶陽」茶杓を持ってきた先ほどの15歳(現在20歳)のコレクターに諭していた。ただ実際、いいものをいつも目にするのは地方にいると大変なことである。東京にいても、そうとうマメに動く必要があるだろう。まともな業者とも仲良くなる必要があると思う。
さて、私どもとしても、取り扱い品目を書画だけでなく、焼き物などにも広げていきたい。焼き物は絵画に比べれば比較的安くいいものが楽しめると思う。
いずれにしても、「いいもの」に宿る光のようなものの一端を紹介して、美術の世界に興味を持ってもらうきっかけを作っていきたい。「高価」と思われている美術品だが、単なる時代のはやり廃りで、価格が放置されている銘柄や、無名で安くても実力のあるものも埋もれている筈だ。ソノモノの現在価格というのは結局、需給で決まってしまうが、お金に換算できない何かがある美術品はいつか評価される日も来るだろう。
一方で、いわゆる銘品と呼ばれるものも紹介していきたい。誰もが認めるものは高価ではあるが、やはり素晴らしい、ものが多い。みなさんに見てもらう機会も作りたい。
まずはオジサン丁稚としての修行ですけど。ただ、私には「修行してから」という悠長な時間はない。OJT美術商(オンザジョブトレーニング)として、実践しながら、学んでいく。足りない分は年の功?で補いながら。
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