くたばった土曜日、アートフェア
2016/07/08
カタログどたばたで進んでいなかった在庫整理、帳簿整理、納税準備、をすすめるべく、まずは机周りの乱雑ぶりを整理・・・していたところ、持病の偏頭痛が発生。あーもう、午後お客様も来るというのに。
この頭痛が出ると半日寝てつぶれてします。このビョーキ、前にも説明したけど、妊婦とか神経質なオトコがかかるといわれていて、五木寛之、芥川龍之介などの例がある。(芥川は「歯車」という作品でこの症状を表現している。)とある画廊のうら若き女性にも同じ病気の人がいて同病相哀れんでいる。
この症状は、ストレスが続いて、スポッと抜けたときに出やすい。日曜日などに出ることが多いといわれている。昨日のカタログのストレスと、なんだかポカンとした今日の気分がこのビョーキの条件にぴたり当てはまる。あーもう、でも時間がもったいない。
今日は日中アートフェアにいこうと考えていたのに、そういうこと6時間あまり職場で横になっており、いけなかった。だが、仕事帰り(仕事ほとんどしなかったが)にちょこっと寄った。
ので、ちょこっと、報告します。
このフェアは昨年まではニカフというコンテンポラリーアートのみのアートフェアだったときく。今年から古美術商などを招いて衣替えをした。
つまらないかったら、今日は病み上がりで体力もないし、15分くらいでかえろうと思ったが、結局、閉場まで、一時間ほど滞在した。結構、楽しめた。
今日、僕がいいなと思ったのは、浦上蒼穹堂さんの展示である。5000年ほど前の中国副葬品が買える。中央に展示してある豚と養豚場の置物など、母豚が子豚に乳を与える様子、養豚場の施設などが精巧に作られていて、愛嬌がある。(売約済み)僕は養豚場で作業したことがあるのだが、5000年前も今もあまりかわらないな、と思ったものである。牛の置物もよかった。牛をつくらせると、作家の造形力がわかる。この牛は、いい。
中国古美術の取引はあまりしたことがないのだが、小売値段を見ると、案外安い。数十万から100万くらいのもの。良心的なのかな。
この展示は、現代アートの東京画廊さんとのコラボもやっていた。ぼくは古美術と現代アートを並べてしまうと、正直言って、古美術のよさが際立ってしまうように思ったが、いかがであろうか。現代アートが古美術から何かぱくって(引用して)つくられているものがあれば、そうしたものを並べると面白かったのじゃないかと思うのだが。ようするに魅力が拮抗するような展示を見たい。でも、二つ以上の画廊が協力して、より面白いものが出てくる可能性はあるので、こういう試みはどんどんやってみてもいいのじゃないでしょうか。
ウチで働いている近藤さんは、小杉小次郎先生の展示が良かったという(すいません、カタログ買わなかったので画廊さんの名前わかりません)。確かに、細長い展示スペースに飾られていた小杉先生の作品は、なぜか格子がはめ込まれていて、現代アートっぽいしあがりがちょっと目を引いた。この展覧会にあわせて先生が工夫したものだという。現実的な情勢にあわせて仕事をしようとする先生の姿勢にはいい意味での職人魂があるかもしれない。ちなみに私はこの方のお父様小杉放庵作品が大好きである。
現代アートの画廊はいつも思うのだが、若い人が多く、よくもわるくも学園祭ふうといいますか、多分タマビとかジョシビの雰囲気が乗り移っているのだろうと思ったりする(よく知らないのに勝手なことを書いている)。特別に感心したものはなし。
ところで、いくつかの画廊は、店番を置いて、店番が座っている。ひどいのになると、一生懸命本を読んでいる。うーんん。あるいは、海外の画廊もデカイからだのガイジンがドカーンを腰をすえて辺りをぼんやりにらんでいる。
「売る気」があるのなら、店員は立っていて、お客さんがきたら、ころあいを見て近づく、など、ごくフツウの対応をするべきなのじゃないかと思う。こういう店に比べると、すぐそばの有楽町ビックカメラの方がずっといい。雨に日は、傘を傘袋に入れてくれる。実際に、袋に入れてくれるまでやってくれるのである。結果、ビックカメラは有楽町地区でソフマップより後発にもかかわらず、圧倒的な存在感を得て、つい先ごろ、ソフマップにビックカメラが投資(援助)する、という状況にまでなった。
ともかく、座らず、立ったほうがいいのじゃないか。せっかく50万もブース代かかるらしいから、売りましょうよ。
勝手なことを書くと来年参加するときに怒られるかな。でも画商はもっとマーケットの規模を増やす基礎的努力が必要なように思うのだけど、どーなんでしょうか。
あ、それとアートフェアにブログがあるのだけど、トラックバック、コメントが出来ない。もったいないなあ。直接コミュニケーションできるメリットを殺している。
とはいえ、全体としてがんばっていると思いますので、日曜、月曜、みなさん行かれてみては如何でしょう。とにかくお洒落な会場ですよ!札束かキャッシュカードを手に、あなたも。(下品?)
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