とある方のお宅、交換会
今週はリアルタイムで更新するいとまがなく、後から書いています。
お呼びかけを受けて、とある方へのお屋敷へ参りました。
商品をお持ちしましたが、気に入っていただいた様子。まだお決めにはなっていませんが、いい方向かなと感じました。
それにしても美術商、古美術商という仕事は思わぬ方とこうして出会いがあるのが面白いところであります。お客様のことは勝手に書けないので、こんな曖昧な表現になりますが。
その後、ほぼはじめていく交換会に行きました。あまり人気のない会かと思いきや、さにあらず、主要な業者の多くが来ている様子。首都圏では多種多様な交換会が行われていて、マメに調べていったら、多分30日全部つぶれるかもしれません。追いきれない。
ちなみに、そうした交換会全てぐらいに顔を出して、その交換会間の相場のサヤを抜く人が「ハタ師」といって、大昔からこうした方はいて、今も何人かいらっしゃるようです。
商業の基本は、相場の低いところから高いところに持っていくのが太古からの決まりなので、別におかしな商売ではありませんが、情報のゆきわたった現代社会で、このことで生きていくのは容易ではありません。
私の場合は、冒頭に出てきたように、儲かりたいのは当然のこととして、社会を広く知りたい、人間という奴はなんだか知りたい、という思いがありますので、なんだか美術商なら美術商の狭い世界に生きるのはヤだなと思うので、あまりハタ師をやりたいとは思いません。
そもそも、大きな会社の一員やら、大学のセンセイやらになると、狭い世界に閉じこもって平気になりそうなのが怖い、あるいはつまらんと思ったので、わざわざ会社を作っているのであります。とはいえ、どんな立場であれ、普段はごく少数の人間と共同体を作るのがニンゲンの基本ですから、無闇にいろんな人と会ったからといって、どうということもありませんが。じっさい、今も現状ほとんど会社に閉じこもっています。けれどもどこを向いて仕事をしているか、は大きいようにも思います。やはりいい意味でのつながりを、つまり強い信頼を結べる関係を、結んで生きたいと思いますね。お客様とも、同業者の人たち、外注の業者の方たちとも。
まそんな理想を述べたところで、商売を始めたい以上、いかに生き残るかを日々真剣に考えざるを得ない日常で、あまり優雅とはいえません。
しかし「いやあ大変だよ」とぼやいていたら、家で妻にフィリピンの地震の記事を見せられて(この文章は10日に書いています)、「これに比べたらたいしたことないでしょ」と言われました。
そうなんです、生死をかけた事態に比べたら、日々の浮沈など、ちょっとしたスパイスに過ぎません。
(ちなみにこの地震に際して、今月の売り上げの一定パーセントを寄付する予定です。)
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