銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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思文閣70周年

   

思文閣70周年の記念パーティにお招きいただいたので父と出席しました。

会場の給仕はなんとウェイトレスではなくて芸者さんと舞妓さんという超豪華な式典。

たまさか運命の運びで招かれる身になったなあと(運命によっては迎える側だったかも知れないので)不思議な気分にも。

思文閣会長である叔父のお話が一番印象に残る。兵役から帰ってきた時分、家には何もない、雑誌一つない状態。親戚に古本を借りて橋の上でござを敷いて売る日々。弟であるうちの父がまだ小一の頃であろうか。

そのほか雪国にたったひとりでリュックをしょって満員電車の中古本を売りに行った話。父は俺も一緒だったような気がするが、と言っていたが、昔のことは私にはわからない。

思文閣代表である大社長は緊張気味だったけど、将来の思文閣を語る。墨蹟というものをもっと世の中の人に見直してもらって、文化の醸成をしたいということなど。会社紹介のビデオ。ちょっとテレビ東京風。

彼は鑑定団で有名になったけど、経営者としても相当の手腕である、といいますかいつも会うたびに色々教わるばかりで、恐縮です。画商には、「きんこんかん」が必要という。金。肝。眼。あれ?ゴロが会わない。「きんかんがん」かな。まあ、でも、趣旨はそういうこと。それがある。年齢は1歳くらいしか離れていないが、業界的には約15年先輩。祖父の若かりし頃の写真を初めて見て、同じ血が流れていることを想う。祖父のエネルギーが、この書画一族を生んだ。70年で広がり、時代の変化を乗り越えてきた。

ただ、別に今の自分は自分で作らなければならない。

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