銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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図書新聞に『アートコレクター入門』の書評が掲載されました

   

令和6年8月31日土曜日付けの『図書新聞』さんに、拙著『アートコレクター入門』(平凡社)の書評が掲載されました。嵯峨美術大学客員教授の宮田徹也先生によるものです。

アートの専門家による書評を頂いたのは大変ありがたいことです。

宮田先生が述べられたように、この本はアーティストや美術館のキュレーター、またオークション関係者ではなく、美術商の立場でしか書けない「美術入門」を目指しました。

この本の核になる「海外のアートの歴史の流れ」と「日本美術の流れ」の違いと、それに直面した日本人の違和感についての論評とそれに対する日本人コレクターへの僕なりのアドバイスについて、理解して論評していただいたのは嬉しかったです。

そこに追加して川船画廊の川船さんへの尊敬を共有できたことも。

そこで、さっき川船さんにお目にかかったので、この件について尋ねてみました。「よく書いてくれてありがとう」と言っていただき、宮田先生との交流についてお聞きしました。大変おもしろかったのですが、ここには書かないでおきます。

最後に僕が後半に書いた「大胆なことを演る人は『すべてを失っても構わない』という覚悟でやるから成功するのではないでしょうか」というセリフを取り上げていただきました。<翻れば、アートを知れば、今日の世界が浮かび上がってくる。>

はい、そうなのです。映画にも、演劇にも、文学にも、その時代の中核の「思想」や「感情」「事情」が詰め込まれています。<美術><アート>も同じく、それは商売でもあると同時に、その時代の思想、そして世界が見えてきます。そして、歴史を見れば、そのようなものはアート以外にないのです。

この書評の見出しは「ハウツー本の域を越して、専門家でも戸惑うことを論じている」あります。専門家の方が拙著をどのように捉えるのか、わからないのですが、批評も商売も、細かいセクターに分かれがちな今、古美術から現代まで、人は何をどう読み取ってかかわっていったらよいのか、おおきな物語を共有できれば、もっともっと美術鑑賞もコレクションも楽しく深くなるのではないか、そして一過性の「ブーム」を大きく飛び越えることができるのではないか、という願いを込めています。

みなさんも、書店で是非ページを開いてみて下さいませ。

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