岡本東子@想像の緑
今回のImaginary Green(想像の緑)ではむしろ少数派になってしまった「国内派」のわたしたちの代表は、岡本東子です。
現代の「美人画」というと、池永康晟さんが提唱した美人画の復権、という号令の後に出てきた「色っぽい」ないし「可愛らしい」女性像を描く、若い女性の画家が多かったのですが、彼女は池永が美術界に現れる前から日本画による女性像を描いてきました。
同期に日本画技法による現代美術を標榜する松井冬子さんがいて、松井さんの場合は女性といっても死を思わせる象徴としての肉体、という側面が強いのに対して、岡本は「生きる」女性を強調しています。
ただ、可愛らしいとか色っぽいとかいうよりも、時代や状況の制約のなかで自立して生き抜いていこうとする女性像を描いてきました。
なぜ、男は描かないのか?と聞いてみたことはありますが、女性の生き方、というものにもっとも興味があって、男性像は描く理由がないようです。
さて、彼女は自身も和服を着ることが多く、モチーフの女性たちも多くの場合、着物を着ています。着物はもともと植物を図柄にしたものが多く、今回は花を背景と図柄に生かした作品を描いてくれました。
今回は、小品を二点だけの出品ですがいずれも素晴らしい作品なので、ぜひ御覧いただきたいと思います。
展覧会情報
展覧会 Imaginary Green
会期 2024年4月18日(木)〜27日(土)
会場 ぎゃらりい秋華洞
時間 10:00〜18:00
備考 会期中無休 入場無料
https://www.syukado.jp/exhibition/imaginary-green/
銀座ぎゃらりい秋華洞では、春の展覧会として植物をテーマとしたグループ展を開催します。
中華圏と日本出身の6名の作家で構成された本展覧会では、異なる文化背景を持つ作家が植物という共通のテーマで作品を制作いたしました。植物という我々の身近にある存在が、作家それぞれの目線を通して展開されます。
展覧会のタイトル”Imaginary Green”とは日本語で想像上の緑、架空の緑という意味が込められています。
既視感を感じられる植物でありながら、存在しないものでもあり、不思議と愛着が湧くような絵画・立体作品を展示いたします。ぜひお楽しみ下さい。
〈出展作家〉
ファン・ピン・トン(黃品彤)、リン・イーロン(林義隆)、ディー・チン(狄青)、
チン・ペイイ(陳 珮怡)、沖綾乃(オキ アヤノ)、岡本東子(オカモト トウコ)