村上仁美の個展は明日から
村上仁美の個展が始まる。
陶器という「器」と女という「器」。
自然の火で燃え盛る中から生まれる「焼き物」と
火から生まれた私達の「命」。
死と生の明滅から現れる私達の命の繋がりを幾重もの隠喩で表現してきた村上仁美。
昨年から彼女は私どもの舞台で発表してきたが、銀座の私達の画廊での個展は今回が初めての試みだ。
準備は月曜日から始まり、木曜日の今日の午前、彼女にとっては最も大規模な作品、人が「乗馬」できる馬を搬入、ライティングも完了した。
今回は写真集の撮影、グッズの用意などかなり手のこんだ展示となった。
そもそもの元は彼女のコンセプトにある。
創作神話とも言うべき今回の展示の「ストーリー」は星のない王国の物語だ。いった星のない国とは何か。そんな国はどこにもないではないか。
アーティストは言う。それは実は私達自身の国だと。この地球のあらゆる国のメタファーであると。
古来の言い伝えで、「星」は希望の象徴だという。この物語の主人公は役立たずの姫様だ。姫様は前人未到の地平線への旅をして、「希望」を連れて帰るのだ。
その度の道筋を、この展覧会はたどる旅なのである。
明日から。