アート台北終えて
2017/10/30
アート台北を無事終えて、日本に戻ってきました。
ウチの展示はこの台北でも現代の「美人画」を中心にやってきたのですが、昨年あたりから新しいアーティストを次々迎えて面白い展示になってきたかな、と思います。
画廊というものは自分の世界観を自分で表現する、というものでは必ずしもなく、作家さんの表現に仮託してお客様に見てもらう、買ってもらうもので、なかなか簡単に思い通りには行きませんが、
すべての作家の表現はとても素晴らしいもので、必ず何人かの心には届いたかと思います。またその成果としての売上でした。
なかでも、北川麻衣子のダーマトグラフでの表現はさりげなく深みと安定性を増して素晴らしいもので、説明不能な感動というものがあったと思います。
今回、はじめて縁あって三嶋哲也さんにも参加していただきました。彼の「尻」フェチぶりは有名なのですが、彼の男性性が他の画家たちに与えた影響といいますか化学反応が楽しく、食事の場は爆笑の連続でしたが、こうして作家同志、生身の交流ができるのが海外のフェアのいいところのひとつです。ひとりきりでやる仕事ですから、貴重な切磋琢磨の機会です。
今、美人画ブームとかは写実ブームとか言われているようですが、もしブームというものが有るとすれば、ブームは乗るものではなく、興すべきものと思いますので、その意味では私どもがこの10年やってきたことがなんとなく流れになっているのかなあと思わないこともありません。
でもまあ、ブームというのも本当はどうでもいいことです。人間の感情を揺さぶる美、あるいはエロスがそこにあるかどうか。
ウチが少しだけ他よりも有利なところがあるとすれば、古美術も近代美術もやるなかで、圧倒的な表現というものをいくつも直接、眼にして扱っていることだと思います。実は現代アートの画廊さんでも本当に目があるところは僕なんかより古いものの歴史をよく識っていらっしゃるとは思うのですが、日々あらゆるジャンルを社内的に扱っているのは強みじゃないかな、と思います。
というわけで11月はいよいよ、池永康晟と台湾の陳珮怡(チン・ハイイ Chen Pei Yi)の二人展です。みなさん、来てくださるかしら。
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