銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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民主主義ってナンダ?コレカ?

   

イギリスがEUから離脱した。
国民投票で決まったのはみなさんご存じの通りだ。

ここに二つの疑問がある。

国民投票で正しい決定などできるのか。

仮にそれを認めたとしても「過半数」程度で決めて良いのか、という問題だ。

「民主主義」とは「過半数」で物を決めること、と誰もが思っている。

しかし「過半数」で決めることが、本当に正しいことを担保できるかというと、そうではない。

たとえば、「林檎が木から落ちるのは重力のせいだ」を、多数決で決めたら正しいかどうか分かるのか。
むろん、そうではないだろう。科学者が実験と議論を積み重ねて、判断するべき事だ。

シロウトの「多数決」で決めれば、かつては「重力」なんて否定されてしまっただろう。科学者なら「多数決」で決められるかと言えば、やはり、そうではない。じゅうぶんな検証を経て、「正しさ」は計るべきだろう。

さらに結果の是非を、いわゆる「過半数」を目安にしていいのか、というのも疑問だ。

今回の「差」はわずか1%くらいのことだと聞く。

アメリカで重罪を裁く裁判をするときに、「有罪」を決めるのは「全員一致」の原則があると聞く。それは間違いのないよう、議論を尽くすという意義があるだろう。

今回のように大きな「変化」をもたらす意志決定をする「投票」が50%をわずかに上回るか否かで判定することに、本当の「意味」があるのか。統計的に「有意」な差なのか。たとえば2/3の多数で決めるなど、もう少し知恵は無かったのか。

ほとんど、国家の命運を、丁半博打で決めたに等しいのが、この「国民投票」だったと言っても、過言ではない。

これは果たして民主主義なのか。

民主主義とは何か、日本では、昨年辺りから話題に上ることが多い。けれども、民主主義とは、千年以上前からギリシャなどでも実践され、フランス革命でも旗印になったが、常に腐敗と流血を免れずに来た。実は、「ほんとうの民主主義」は、まだ誰も発見できていない。もしそれが出来たら、アインシュタインの相対性理論より、すごい発明だ。「絶対喧嘩しない夫婦関係」と同じくらいには、難しい。

 

 

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