くずし字塾、進行中
ただいま秋華洞ではくずし字塾をやっている。古筆学の創始者、小松茂美先生の愛弟子、角田先生を第四金曜日に弊社にお招きしてやっているこの塾、宣伝していないにもかかわらず、最近では弊社画廊に入りきれないくらいの盛況である。これ以上増えてくると、貸し会議室でやらねばなるまいが、今のところは押し合いへし合いで仕方ない。馬小屋でおこなったという松下村塾みたいでよいではないか。
くずし字塾、とは平安から江戸にかけて使っていた文字を読めるようになる、という講座であるが、文例として平安、鎌倉、江戸の筆記を使う中で、日本語の文献の成り立ち、仏教が伝えてきた形式、中国の漢字の成り立ち、行書、草書、篆書、隷書と簡体字、繁体字、日本語の意外な関係、ただしい書き順と正しくない書き順、かつての文部省の愚かぶりなど様々に話題がトンで、というかこの「トンで」「脱線」するところが真骨頂ともいえ、まったく事業が弛緩しない。角田先生の恐るべき知識量に誰もが圧倒されてポカンとしている。
しかも板書の文字が美しい。美しい文字とはこういうものなのか、という事を誰もが合点がいく。美しい文字のコツ、のようなものが端的な台詞でいつも強調されて、目から鱗の連続である。
しかしこの角田先生、あくまでチャーミングで美しいひとである。ユーモアも茶目っ気もたっぷりで、年齢を全く意識させない気さくさである。日本と小松先生はこういう人をちゃんと作ったのだ。最近は自然な流れで塾の後飲み会になるのだが、必ず、先生は付き合う。
日本の文化の原点は、言葉、文字といってもよい。その文字を学ぶ、書道を学ぶ、こういう機会があることを、一応、ここでも紹介しておく。
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