モテキ、ヘルタースケルター
モテキ、なるドラマを家でとりためてあったので、まとめて見た。なんだこれは、メチャクチャお面白いではないか。コミカルな今風のエロ恋愛ものと思って馬鹿にしていたが、かなり身につまされる男と女の情けなさが詰め込まれていて面白い。昔、大竹しのぶとさんまが結婚するきっかけになった「男女7人夏物語」というドラマがあったけど(たしか演出は金八先生のヒトではなかったか)、あれのもっと今風版だ・・しかし映画の興行収入が22億だって?これ二千円で割ったら、100万人?100万人のヒトがすでに見たのか、今更自分が感心して見せたところで、間抜けな話だ。
しかし、自分はどうも自分の世代が恋愛ベタというか、自分も含めて?どうにも浮いた話がなさすぎて、未婚率が高い(かろうじて自分は結婚したけど)、あるいは出生率が低いのが気になっていたので、こういうエロを喚起させるドラマが受ける事はとてもよいことと受け止めている。
テレビドラマでは、主人公の森山未來と女優達がやたらキスをするのだけど、これがさすが深夜枠のエロさで、刺激があってよろしいのだが、このドラマがよいところは、単に「カワイイ」から好き、という「形式」をとって、主人公のばかっプリをからかうフリをしつつ、登場人物達がお互いの人生の「今」を一生懸命ぶつけている様子がきちんと描かれているのがよい。結局エロはAVみたいなその場限りの完結性ではなくて、お互いの関係性のなかに通ってくるもので、そこが愚かに見える登場人物が時折見せる意外に真剣な台詞の中に宿っているのがいい。
ところで、FRAUなる雑誌に、蜷川実花さんのインタビューが載っていたので、失礼ながら立ち読みで見た。沢尻エリカの未熟だが真剣な仕事っぷりがうかがえる一方で、蜷川さんの真摯さ、率直さが伝わってきて好感が持てる。あの極彩色の映画画面作りは、ボクは「さくらん」ではついていけなかったけれど、今度の映画も観るまではどんなものかわからないが、文春などの週刊誌の情報は情報として、あっそ、そうかもね、と横目で見ても、やっぱり映画の画面に映っているモノをがっちり受け止めるのがフェアだろうと思う。
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