「国が亡びるということ」竹中さんと佐藤優の対談本
唐突?でもないか、本の紹介です。お茶の水の丸善書店で、田原総一朗と佐高信の対談本と並んで置いてあって、非常に興味深いと思ったので、即二冊買いました。
この本は、まだ途中ですが、あまりに面白いので、ブログでも紹介しておきます。佐藤優の知見は、読むと目から鱗の事非常に多く、竹中平蔵も勿論その知見は群を抜いているので、この二人の対談はすごいのですが、なかでも、「官僚を民主党・政府は使いこなせていない」というのは、本当かという議論が面白い。
官僚は、本来優秀である、という前提があるはずなのですが、官僚自体の急激な劣化が進んでいる、という指摘が興味深い。
曰く。
官僚のみならず、いわゆる「エリート力」が日本では極めて弱い。そこかしこにある程度博士課程出身者がいるのが当たり前の国際社会に比して、日本は学士あがりが殆どの社会。基本的な「教養」がなさすぎて、外交官の世界でも、実際には相手の主要政治家に相手にされていない、実例をあげていて非常に興味深い。
たとえば「ドストエフスキーに深い影響を受けた」「とくにカラマーゾフに」と挨拶しておきながら、ちょっと深い事を聞かれると、全く答えられずうつむく外交官。
私自身は、まったく人のことを言えた義理でなく、この外交官の事を決して笑えないのですが、日本の大学システム=エリート養成システムであるはずが、形骸化していることに関しては、常に危機感を持っています。ま、自分の商売につなげて、考えると、日本で美術の売上げが海外に比して少ない事も、こちらに遠因があるかも。(ま、これはこの議論では脱線の類ですが)。
エリート、なんていうと、日本語でとってもイメージが悪い言葉なんですけど、実際問題、日本社会ではリーダー、参謀が総理含めて何万人も必要なわけで、今回の原発処理の顛末を見ても、東電、政府に全く人材がいないという恐ろしい事実を持ってしても、「教育」の再構築が非常に重要であることは論を待たないでしょう。
とりあえずご報告まで。
本日も、美術館をいくつかめぐってきまーす。