銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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それでも俺は『江』を見続けるだろう、今のところ

   

今朝の新聞の広告を見て笑った。

週刊新潮で、NHK大河で『江』が叩かれまくっている。
壮大なる歴史ドラマの筈の大河ドラマを、お子ちゃま向けにしてしまった、と断罪している。
おおむね、正しいであろう。
秀吉、勝家などの武将が、女たちの意見に左右されて、戦術を変えてしまうかのような描写。史実をほぼ無視して、ホームドラマのスケールにおとしめる脚本。
せっかく大河らしからぬ照明とカメラワークで「新境地」を「龍馬伝」で拓いたのに、またぞろ隅々まで照明をあてた無難な大河調の画面構成。
あくまでも幼稚幼児的な三姉妹の演技、衣装。
んなこたあ、わかっている。わかっているが、ウチの子供たちはまさに「お子ちゃまむけ」を楽しみ、私は上野樹里の「のだめ」臭の消えない、ネンネの演技がそれでも好きで、必ず見てしまう。
わたしは「ノダメ」上野樹里が好きである。ふだんはほぼ天然バカ扱いされているが、やるときゃやる、という姿勢となにより、怒ったとき、悲しんだとき、喜んだときの素直な表現、表情にやられてしまうのである。そういう上野樹里ファンも多かろう。しかし、このネンネ演技が嫌い、という女性が多そうなことも知っている。それもわかる。でも見逃してやってくれ。無視してくれ。私は、好きなのである。のだめ、的な生き方に共感してしまう。美術業界ではどちらかといえば「いじられ役」となっている事も影響しているのか?
先日、業界のチャリティオークションで、のだめ、全巻を落札して、これから読む。楽しみである。『江』の馬鹿馬鹿しさを嘆き、NHKのスイッチを消す皆さん。気持ちはわかる。しかし、ところどころ、いいところもある。信長=トヨエツの芝居は素晴らしかった。龍馬伝も冒頭はひどかったが、尻上がりによくなった、部分もある。いいとこも見つけてあげてくれまいか。上野樹里のいいところも見てあげてくれないだろうか。
なんで俺がお願いするのかわからないが、まあ今のところそういう心境である。
アートフェア東京の準備は進んでいる。阿部清子の個展は先日終わったが、素晴らしかった。池永は苦戦しているし、なにか個人的に問題をかかえているようである。しかし彼らは命を懸けて取り組んでいることを俺は知っている。4月を楽しみにして欲しい。「美人画アンドゆびのは」を今年もやる。

 - シヤワセ, テレビ