銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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もしドラ、いいじゃなーい!

   

古美術の特別鑑賞会というのが開かれるので金沢に来ている。

家族で二十一世紀美術館などに来たことがあるが、あらためて来て、都会の風格を持つ街だと思う。近代的な駅前の景観である。

アートフェアが終わって、かなり押し押しのスケジュールになってしまった。こうしてブログなどを更新できるのも、少しでも余裕のある予定にしなければ書けない。

さて、先日、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読み、感動した。

いや、この本、ずっと様々な書店のビジネス書の一位の棚に並んでいたが、表紙のあまりのミーハーさ(私の嫌いなロリータアニメ風)に辟易して、どうせやはりものに踊るバカ騙しの本だろう、と思って、買おうという気は起きなかった。週刊ダイヤモンドの表紙にもなったいたが、勝間ブームと同じく単なる打ち上げ花火と考えていた。

しかしたまたま新幹線の暇つぶしに読んだら、豈図らんや、面白いじゃないの。青春ドラマとしてもビジネス書としてもよくまとまっている。しかも泣かせる場面まで用意してある。うまいじゃん。

この小説の主人公はドラッカーの「マネジメントエッセンシャル版」である。本である。突如自分の高校のヘッポコ野球部を甲子園に送ると決意した女子高生がドラッカーを手に成し遂げようとする、というものがたり。

この本のもくろみ通り、先日ドラッカーも手に入れた。はっきり言って、ドラッカーはとっつきにくい。ネクストソサイエティは読んだが、あまり頭に入ったとはいえず、マネジメント、も文体の硬さに、かなりの人ははじき飛ばされると思う。

しかし、この本の理念と、ついでにいえば文学性には、しなやかで強い真実らしさがある。そのことに気づかせてくれる「もしドラ」は売れて当然であろう。で、今はこの「マネジメント」を読んでいるのである。

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