銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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おはようございます、Sapio記事について「日本人分析」など

   

昨日Sapioを買って読みました。

日本人の精神分析、という特集、ざっと読んで、80年代から今年にかけての日本人の「精神分析」、うまくまとめてあってソレナリに面白い。
勝間和代氏、茂木健一郎氏が相対化されて論評されていて、ふむふむと。
勝間さんは「コミュニケーションあるいは情報偏重」の社会病理、茂木さんは「脳史上主義」への新ブームを反映しているが、これは表層的なカラクリにすぎない、と断じています。
Sapio小林よしのり氏「ゴーマニズム宣言」の天皇女系容認宣言の繰り返しには説得力有り。数十年後には、皇室には男の子ひとり、あとは全部皇籍離脱してしまう、という危機感を共有せよ、というご託宣。本当にそうだと思う。この皇室ネタについては、少し周囲の識者にも確認してみたい。天皇なんて、いなくなっちゃっても構わないんじゃない、と子供の時は思っていたし、その無意識を共有している方も実際多いのじゃないかと思うけど。文化の商売である書画商をやって思うのは、この天皇を中心とする国家制度を続けてきた政治の安定性こそが、日本文化をはぐくんできた、という事実。一方でいつまでたっても総理大臣というリーダーに、しっかりした人がつかない、という事は、天皇が「権威」を代表しているせいかもしれない、と思ったりもする。日本の国ってどうあるべきなんだろう、という事について、問題意識を共有できる人が増えるといいのではないだろうか。
今朝の朝日には、大学の同級生の刈部氏が読書について、特に福沢諭吉についてとりあげていて興味深い。「階級制度」に出来る「恨み」の感情と、その解消で政治が動いてきた歴史、そして解決策として相手の話をよく聞く「堪忍」というキーワードを福沢諭吉が呈示していた、という事実。総じて昔の本からも学べて面白いよ、という話。大学の先生らしい、啓蒙的な意見だけど、「格差社会」を論じ建てる風潮を、少し俯瞰してとらえてみるのに、今の文脈と関係ない昔の書物を持ってきて考えるのは、ひとつの有効な方法論かも。

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