塚田さん
よく雑誌など(小さな蕾とか、和楽とかね)にも連載をしていたギャラリー無境の塚田さんが、10月末、亡くなった。正式発表がなかったので、ブログでは黙っていた。今HPを見たら、掲載されていた。業界では、水面下で知らせが届いていた。
しょっちゅう交流があったわけではないが、美術の世界に夢を持っている人だった。魯山人を軸に亜細亜やアフリカなどの骨董を見立てて現代アートやお茶の世界と組み合わせたり、自分の美の道、生きる道を切り開く人であった。私のような若い人間にも夢や愚痴を率直に語ってくれて、暖かかった。
夏に一緒にゴルフに行く機会があったのだが、都合が合わずご一緒できなかった。
美術の世界は、個性的な方が多く、ひとりひとりに魅力がある。だが美の道に誘われて没入するタイプの人は、案外少ない。
本当に仕事のやり方は千差万別である。
その中で、自分ならではの道を拓く数少ない人であった。
うちの親父とは180度タイプが違う意味での目利きであった。(ウチの場合は何でも査定するオールラウンド、塚田さんはこういう見立てはどうですか、という提案型であろうか。)
思うことは、ともかく会いたい人とは会っておくことだ。キスしたい人とはたくさんキスしておくことだ。視線を交わし、時間を共有しよう。人は死ぬ。いつか死ぬ。うかつにしていると、もう会えなくなるのだ。
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