ノマズクワズ
そういえば、昨日はとある美術家のご自宅に用事で行って参りました。
勉強したい(師事したい)、と思う日本画家がいないなあ、綺麗な絵ばかり、ノマズクワズのトコロから出て来る絵がないですね、とおっしゃっていて激しく同感。
そう、ノマズクワズの池永さんがよい絵を作ってくれるといいのですが。
池永さんに限らず、ノマズクワズの精神で、出て来る画家はいると思います。
きら星のごとく日本画家が出た再興院展の時代は、やはりメディアが他になかったという事情が大きいでしょう。だって、漫画も映画もテレビもCMもないのだもの。今や絵描きでは食えません。食えないからこそ、妙にガッコの先生に落ち着いちゃって、モチベーションの維持が難しくなる、というややこしい事情もありますね。でも、こんな時代でも、絵描きにこだわる不具の民がいるのです。何故か絵の具の魅入られちゃった不幸なヒトたち。ニンゲンノ幸不幸は塞翁が馬、不幸は幸福の別名だったりするのです。自分自信を表現する喜び。今の絵描きは、自己表現に焦点を絞りつつ、関連事業(イラストなど)で食べることも出来ます。でも、キヨ方でも深水でも浮世絵画家でも関連事業で育って「ホンガ」を書いたんです。ハスイなんてある意味関連事業が本業。別にホンガが偉いわけでもない。今ホンガをやるのは、損得勘定抜きの宿命みたいなもんじゃないでしょうか。これから純粋かつ破壊力のある人は、ゼッタイ出て来るでしょう。映画も写真も漫画も受け入れて、なおかつ伝統の力を携えたヒトが。ソウイウヒトが出て来るまで、美術商もノマズクワズで頑張りましょう。
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