銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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巨きな未完成

   

日曜日も仕事。
古書の大きな市があったのです。一日張り付いていましたが(浮世絵の本を買いました)、
午後は大琳派展(東博)の最終日にちょっと行ってきました。

当然、俵屋宗達がよいのですが、僕はこの人がいいのは、いい意味で職人であって、
芸術家でないところだと思うのです。

注文があれば、ウチワでもなんでも作っちゃうよ、というスタンス。
「俵屋」ですもん。

昨日のスピーチじゃないけど、巨きな未完成、これが宗達の魅力ですね。

近代画家でも、映画監督でも、本当の魅力は「職人技」じゃないでしょうか。

黒澤明も、「七人の侍」「椿三十郎」は、職人、として「娯楽」を、技術の粋を尽くして
作ったのではないでしょうか。
巨匠、になった、どですかでん、影武者、からは、芸術家、になってしまった。

現代アートの文脈で、会田マコトさんが応援?しているチンポムが、魅力があるのは、
もう圧倒的な未完成振りでしょうね。未完成目指しすぎかもしれませんが。

帰ると、三年生の娘が、なんと水餃子を作って待っていてくれました。母親も面倒くさがって
作らないのに。。超ナマイキな台詞を吐く子なんだけど、料理が好きなんですね。人には何か必ず
とりえがある。おいしかった。

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